◆モザイクという文化 2004.1.2
   

 性器にかけるモザイクというのは、恐らく文化あるいは様式である。もしその文化、あるいは様式を知らない人たちが初めて目にすれば、きっと滑稽と感じて笑い転げるだろう。なぜ肝心のところにこんな変なものが掛かっているんだ、と指差して。文化というのはそういうものなのだ。たとえそれが正当な理由を持つものであれ、まったくその文化を共有しない人たちから見ると、滑稽に映ってしまうのである。事実、南太平洋の人たちは、我々が正常位と呼んでいるセックスの体位を見て、「あれじゃ女がつぶれちまうぞ」と笑い転げたという(だから、彼らは、正常位ではなく宣教師スタイルと呼んでいる)。
 クロード・レヴィ・ストロースを持ち出すまでもなく、文化は相対的である。にもかかわらず、同じ文化圏──欧米文化圏──の人間でありながら、文化の相対性を理解していない者たちが多い。捕鯨に反対する、自称いいことをしている人たちもその愚者の一人だろう。彼らは、いまだに自分たちが宣教師の気分なのだ。そして、世界の女たち──文化──をつぶそうとしているのである。いつまでたっても十字軍の気分から抜け出せない、中世的残骸──脳味噌が化石になった連中なのだ。

   

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