◆10回読め! 2000.12.11

 一般的な質問をしましょう。

 普通、ある1冊の本を読むとき、何回読みますか?

 ――1回。

 普通はそうですね。何回も読む人は、あまりいないかもしれません。

 では、もう一度質問をしましょう。

 自己啓発書を読むとき、何回読みますか?

 ――1回。

 もしそう答えてしまったとしたら、読み方を間違えています。その本が凄くくだらなくて読み返す必要のないものならOKですが。

 人間って、一度聞いたり読んだりした状態では、わかったつもりになっているだけなんです。

 わかったつもり。

 そう、つもりです。つまり、わかっていないんです。少なくとも、即行動に移せるほど深く理解もしていないし、自分の意識に刻み込んでもいない。だから、「ああ、ええ話を聞いたな」で終わってしまって、自分の行動にも生活にも反映されないのです。

 人は、すぐ「つもり」になる生き物です。

 そして、忘却します。いい話を聞いても、日々の生活に押し流されて忘れちゃうんです。

 自分が気に入った自己啓発書や、これはいいと自分が思った本については、とにかく何度も読み返すことです。
 
 回数的には、たとえば10回。

 10回も読んだ本ならば、そのエッセンスをかなりの程度吸収できます。自分もレベルアップします。期間的には、1カ月に1度ほどの割合で読み返すのがいいでしょう。そうして繰り返し読むことで、「わかったつもり」になっていたことが、本当にわかってきます。精神にしみ込んできます。そして、実行できるレベルまで理解度が進んで来るんです。

 実践できるまで十分理解出来るようになったとしても、読み返すのを忘れてはいけません。

 人間は「つもり」になる生き物であると同時に、「忘却する」生き物です。何度も読み込んで完璧にエッセンスを理解しているつもりでも、2カ月ほどすると忘れてしまいます。理解したことを、いい状態の自分を、人間は忘れる生き物なのです。

 だから、いい状態の自分を取り戻すために、よりいっそうエッセンスを己の中に刻みつけるために、何度も読み返すんです。

 『7つの習慣』、13回。
 『思考は現実化する』10回。
 『TQ』7回。
 『新人賞の獲り方おしえます』11回。
 『もう一度だけ新人賞の獲り方おしえます』11回。

 何度も読み返した本は、確実に自分のなかで骨となり血となってくれます。すべての本を何度も読み返す必要はありませんが、これはと決めた本は最低10回読み返すこと。

 それが、自分をレベルアップさせる読書です。

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