◆行動というやさしさ 2000.5.29

 行動というやさしさ。
 本当のやさしさは、行動に表れるものだ。言葉ではない。

  たとえば。
  あなたが女だったとする。で、凄い落ち込んでいたとする。

「まあ、元気出せよ」

 彼氏とは電車で2時間の距離。
 電話口では、彼氏は何度も言葉で励ましてくれる。それはそれでうれしいかもしれないが、あまりにもつらいときは、言葉は心の表面を流れ落ちるだけだ。しみわたりはしない。おまけに電話を切ればマッチの火は消えてしまう。

 でも。
 もし「ちょっと待っとけ」なんて言って、彼氏がすぐ自分の部屋に来てくれたらどうか。
 
 やさしさが、相手の心を思いやることであるとするなら、ただ言葉をかけるのと、2時間の距離を乗り越えて自分のために来てくれるのと、どちらがより自分を思いやってくれているか。どちらが優しいか。

 言葉なんてただで言える。犠牲なんて大してない。
 でも。
 実際に来るには――行動するには、優先順位をシフトすることと、何かを犠牲にすることが必要なのだ。

 言葉は嘘をつくが、行動はなかなか嘘をつけない。
 たとえ前日に喧嘩をしていようと、「自分がつらいときに2時間も電車に乗って駆けつける」という行動を取るには、相当の思いやりが必要だ。行動はその思いやりの深さを証明してくれる。

 たとえ毎日電話をしてくれても、自分が一番つらいときに来てくれない、言葉だけで済ます。
 それが本当のやさしさだろうか。本当に相手を思いやっているのだろうか。

 本当のやさしさというものは、行動に表れるものだ。また、行動で表すものでもある。

 言葉だけでずぼらしないこと。
 行動すること。付き合っている人、彼女を求めている人には、そのことを意識に刻みつけてほしい。

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