◆シナリオライターの悶え〜人を裸にするエッチシーン〜 2000.3.28

 美少女ゲームのエッチシーンって、実はシナリオライターがもっとも悶える瞬間なのよ。自分だけかもしれないけど。

 なぜって?


 あの場面は、結構シナリオライター本人の性的趣味が反映されちゃうのよね。

 もちろん、ちゃ〜んと大勢の人が楽しめるように考えて書いてるのよ。でも、そのベースって、やっぱりシナリオライター本人の
性的感受性でしょ? つまり、何を気持ちよいと感じて何を気持ちよくないと感じるか。

 エッチシーンを書くのって、言葉でエッチしてるようなもんだからさ。

 オナニーが、自分ひとりでする弾き語りだとしたら、美少女ゲームのエッチシーンはオナニーのオーケストラ。

 

 声優さんに台詞を読んで喘いでもらうと、エッチシーン=オナニーって定式がじんじん伝わってきてもう恥ずかしいのなんの。

 デバッグで、スタッフにエッチシーンを聞かれているときもそう。自分のオナニーを覗かれている気がする。めちゃ恥ずかしい。


 もちろん、オナニーの空想とポルノは違う。

 オナニーの空想は、脈絡がなくて自由奔放でもオッケーだ。でも、ポルノで同じことをすると、絵がさっぱりまとまらず、
下品な言い方をすれば「抜けない」ものになってしまう。ポルノの濡れ場は、ある程度コントロールされていなきゃいけない。

 無統制のオナニー的空想と、統制のポルノ。


 それでも、やっぱりポルノの創造の源泉って、本人の快感システムなのよね。

 性的感受性。

 何を気持ちよいと感じるか。何に勃起するか。何にエロくなれるか。


 卵からオムレツやらハムエッグやら、いろんな食い物が出来るように、オナニーから、いろんなポルノが出来上がる。

 本来、オナニーというのは密閉空間にあって無音のものです。

 それが音声化されると、そりゃあもう恥ずかしい。精神的にのたうち回ります。

 今まで作ったゲーム19本。

 エッチシーンの数は、多分600を超えるでしょう。それでも、やっぱり慣れない。恥ずかしいんだよなあ。

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