美少女ゲームのエッチシーンって、実はシナリオライターがもっとも悶える瞬間なのよ。自分だけかもしれないけど。 なぜって? あの場面は、結構シナリオライター本人の性的趣味が反映されちゃうのよね。 もちろん、ちゃ〜んと大勢の人が楽しめるように考えて書いてるのよ。でも、そのベースって、やっぱりシナリオライター本人の 性的感受性でしょ? つまり、何を気持ちよいと感じて何を気持ちよくないと感じるか。 エッチシーンを書くのって、言葉でエッチしてるようなもんだからさ。 オナニーが、自分ひとりでする弾き語りだとしたら、美少女ゲームのエッチシーンはオナニーのオーケストラ。 声優さんに台詞を読んで喘いでもらうと、エッチシーン=オナニーって定式がじんじん伝わってきてもう恥ずかしいのなんの。 デバッグで、スタッフにエッチシーンを聞かれているときもそう。自分のオナニーを覗かれている気がする。めちゃ恥ずかしい。 もちろん、オナニーの空想とポルノは違う。 オナニーの空想は、脈絡がなくて自由奔放でもオッケーだ。でも、ポルノで同じことをすると、絵がさっぱりまとまらず、 下品な言い方をすれば「抜けない」ものになってしまう。ポルノの濡れ場は、ある程度コントロールされていなきゃいけない。 無統制のオナニー的空想と、統制のポルノ。 それでも、やっぱりポルノの創造の源泉って、本人の快感システムなのよね。 性的感受性。 何を気持ちよいと感じるか。何に勃起するか。何にエロくなれるか。 卵からオムレツやらハムエッグやら、いろんな食い物が出来るように、オナニーから、いろんなポルノが出来上がる。 本来、オナニーというのは密閉空間にあって無音のものです。 それが音声化されると、そりゃあもう恥ずかしい。精神的にのたうち回ります。 今まで作ったゲーム19本。 エッチシーンの数は、多分600を超えるでしょう。それでも、やっぱり慣れない。恥ずかしいんだよなあ。