◆健康という厄介 2000.1.11

 健康ってめちゃ厄介。なんでか。

 重要だけど、緊急じゃないのよ。今かかってきた電話みたいにすぐ取らなあかんってもんやない。かといって、無期限に放っておいてええもんやない。いつかは必ずガタが来る。メンテナンスの時が来る。

 厄介なのは、重要度にかかわらず、その重要性を認識できへんことにある。

 人間って、自分の体のことを、メンテナンス不要のマシーンと考えているところがある。車にはさんざん注意を払う人間も、自分のボディとなるとまったく気にかけない。その性向は男に強いような気がする。

 なんでか。

 
 女って、自分のボディに対してフェティシズムあるのよね。だから、凄い自分の体のこと気にする。

 けど。

 男って、自分のボディに対してフェティシズムないのよ。反対に、自分以外のもの、たとえば女の体とか、モノに対してフェティシズム懐くわけね。

 だから、余計に自分の体に対して気を使わない
 

 しか〜し。

 だからといって、健康を放っておいていいというわけじゃない。この世に壊れない機械は存在しない。肉体もまた同じ。


 経験談。

 自分も、さんざん肉体=壊れない機械説を地で行ったが、99年6月、ついに壊れた。

 右肩の後ろの部分がもっこり盛り上がって治らなくなってしまったのよ。

 すわ、一大事。

 パソコンの前にすわって少しキーボードを叩けばもう目が痛くなるやら背中が軋むやらで仕事にならない。ピ〜ンチ。選手生命危うし(笑)。結局、治すのに仕事もせんで2カ月かかった。


 警告はず〜っと前に出てたのよ。

 兄。

 親友。

 それでも治さない。朝食を抜いて1日2食というスタイルも、さんざん親友から警告を受けていたのにやめない。

 や〜っと悪癖を直したのは、3食にすると調子がよくなった、という彼女の言葉を聞いてからだった。実例は強し。


 優先順位の問題なんやと思う。

 健康は大切やとわかっている。だれもそんなのわかりきっている。

 けど。

 健康を最大優先項目にする気がない。それだけなんや。だから、いつも最後に回される。そして、延々最後に回されつづけて、ある日いきなり反動。どか〜ん。体が動かない。入院。そこで初めて、健康が一番優先される項目に変わる。


 ぼくらはよく官僚のことを批判する。

 あいつらは問題を先のばししているだけや。今の目先の問題ばかり考えとる。自分が課長を務めている代に損せえへんかったらええ。そればっかり。で、延々先のばししてわしらに迷惑かけやがる。
 

 批判するのはええことや。

 けど、官僚を自分、問題を健康と置き換えるとどうやろう。官僚への批判が、健康問題を扱う自分に当てはまらへんやろうか。そのとき、自分を恥じ入らないですむ人はいくらいるんやろう。

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