◆ポルノ小説と女性向けロマンス 99.8.1



 ちょっと面白い記事をめっけたので抜粋。出典は幻冬舎アウトロー文庫の『官能博覧会!』。この本を推薦してくれたM君、サンクス!

「物語」「フィクション」は「現実をありのままに」描くものではありません。むしろあらゆる意味において「物事がこうあるべきだということ」を描くものだと思います。ポルノグラフィー自体そういう機能を持つとも言えます。

 「セックスって現実の世界では本当に複雑でやっかいなものだ。けれど、ポルノグラフィーの世界ではすべてが完璧なんだ。多くの人は、ぼくも含めてだけど、セックスがポルノグラフィーみたいであればいいのにと思っている」
                               (風間賢二『快楽読書倶楽部』創拓社より)

 過激なゲイ・フィクションを書いているアメリカの作家、デニス・クーパーの言葉ですが、分かり易い例をあげればポルノに登場するヒロインは大抵素晴らしい美女で、しかも決して妊娠したり悪い病気になったりしません。
 ポルノグラフィーあるいは官能小説は、この点で意外にも女性向けのロマンス小説(あるいは少女漫画とも?)共通するところのあるジャンルのようです。いずれも絶世の美女あるいはヒロインが中心にとかれ、執拗に描写される点は同じです。違いは、理想の「愛」を描くかそれとも「セックス」を描くかでしょう。
                       (幻冬舎アウトロー文庫『官能博覧会!』202頁)

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