『LIVE』を買った。
売るためではない。井上晴美のヌードを見るためだ。
そう。ついに彼女が脱いだのだ。ラッキー!
でも、頭剃ってるとは思わなかった。表紙を見て、なに水泳帽かぶってんだろう、とは思っていたが、まさか丸刈りだったとは……。おお、裏切りのマルガリータよ。せっかくのオッパイが台無しではないか。
別に乳房が悪かったわけじゃないんだよ。
ズドー~ン、とロケットみたいに突き出してるわけでもないし、円錐型ってわけでもない。お碗を伏せたみたいにまんまるく張り出しているわけでもないし、だらしなくたるんで広がっているわけでもない。
結構でっかいのよ。
ボリュームがあるから円錐型にはなりきれないんだけど、張りがあるからさ、乳首に向かって突き出してんだよね。釣鐘形っていうオッパイかな。
胸元から下がって乳首へと反り返っていく曲線はみごとだし、きれいなオッパイだと思う。
乳だけ見てれば、「おお、ええ乳やんけ」なわけ。Fカップぐらいあるもんね。
でも。
なんもエロティシズム感じないのよね。
芸術的エロティシズムなんて高等なものわかる人間じゃないからさ、乳は乳として欲望の対象として見たい人だからさ、「もったいないなあ」なんて下世話な感想を懐くしかないんだけど、そんとき、ふと思った。
そっか。
髪って、エロティシズムとすげえ関係してるんだって。
胸は完璧に成熟した女のそれなんだけど、頭がスポーツ刈りだから、女と認識できるような髪がないから、欲望の対象として見られなくなっちゃってるんだよね。尼さんフェチの人は違うんだろうけどさ。
髪って、すげえエロティシズムの装置なんだと思った。たとえショートヘアーでも、女と認知できるだけの髪があるだけでエロティシズムを喚起できるんだよね。
伊藤俊治って人も、『マジカルヘアー』って本のなかでこんなことを云っている。
「世界のあらゆる地域で行われている髪の維持と美化への深い配慮は、美しい髪が女性の容姿における美の理念と緊密に結びついていることを示すばかりではなく、髪が性愛の刺激物として重要な役割を演じてきたことを意味している」
まっことその通りです。
もしクリムトの描く女がつるっぱげだったら、果たしてあの濃密なエロティシズムを感じることができただろうか。女の髪なしでは、アール・ヌーヴォーも存在しえなかったに違いない。