皆さん今晩は。本年度最後の例会となりました。サッカーのクラブワールドカップW杯で、アジア王者のJ1鹿島は、20日午前1時半からアラブ首長国連邦のアブダビで行われる準決勝で3連覇を狙う欧州代表のレアル・マドリード(スペイン)と対戦しました。FWベールにハットトリックを許すなど1-3で敗れ3位決定戦へ回ることになった。完敗だった。「2年前より力の差を感じた」と話す昌子は、終了の笛が鳴ると両手を膝についてかがんだ。
さて、話はかわりますが、「AI vs 教科書が読めない子供たち」著者は新井紀子氏、国立情報学研究所教授です。2011年に「ロボットは東大に入れるか」と名づけた人工知能プロジェクトを始めました。目的は、AIにどこまでのことができるようになって、どうしてもできないことは何かを解明することでした。東ロボくんは7年後、MARCH,関関同立など合格可能性80%の判定でした。今グーグルやヤフーやその他様々なグローバル企業や研究者が血眼になって開発を進めているAIは、ものすごい勢いで私たちの日常生活に浸透し始めています。すでに、人間に代わってAIに仕事をさせている企業も出現しました。つまり、AIは労働力として今後、私たちのライバルになる可能性が高いのです。アメリカではすでにIBMが10億ドルを投じてワトソンを開発していたのに、日本には東ロボ以外にAIの大規模プロジェクトがなかった。かつては、東大に進学すれば「出世」担保されていました。しかし、現在ではそうではない。大学や大学院をでても、非正規雇用につかざるを得ない若者が少なくありません。たとえ正規雇用の職についても、新卒採用の3年未満の転職率は3割にのぼります。企業が欲しい人材は、ITやAIでは代替不能な人材、意味がわかり、フレームに囚われない柔軟性があり、自ら考えて価値を生み出せるような人材です。ただ、それは、ないものねだりです。東ロボくんのチャレンジが明らかにしたのはAIはすでにMARCHの合格圏内の実力を身につけたということです。この序列は大学進学希望者の上位20%です。つまり、AIにより仕事を失った人のうち、人間にしか出来ないタイプの知的労働に従事する能力を備えている人は、全体の20%に満たない可能性があるということです。私の未来図は、企業は人手不足で頭を抱えているのに、社会は失業者があふれている。それを回避する手段は「奪われた職以上の職を生み出す」以外にないのです。70年前の第二次世界大戦後にまさにそれに似た状況を乗り越えた経験があるからです。財閥が解体され、農地が解放され、どうなったでしょうか。数え切れないほど多くの「リアルな」商売が大量に生まれました。ソニーもホンダもその中に含まれます。重要なのは柔軟になることです。人間らしく、そして生き物らしく柔軟になる。そして、AIが得意な暗記や計算に逃げずに、意味を考えることです。生活のなかで、不便に感じていることや困っていることを探すのです。
会長談話を終わります。ご静聴ありがとうございました。 |