今日は阪上ガバナー補佐をお迎えしての例会です。今回が最後のご訪問となりました。この一年間、暖かく、そして寛大なお心でご指導いただき、本当に有難とうございました。衷心より感謝申し上げます。ただ、三田南ロータリークラブの会長として、坂上ガバナー補佐のご期待に沿うことができなかったことを心苦しく、申し訳なく思っております。これに懲りず、これからもご指導くださいますよう、よろしくお願い致します。
さて今日は、日本酒の始まりについて話します。
世界の酒の種類はたくさんありまして、酒の歴史もその国によって色々です。日本酒も例外ではありません。酒をつくることを醸造、つまり「醸(かも)す」といいます。これは「噛む」が語源だそうです。最も原始的な酒は、米を口で噛んだものを吐き出し、それを一定期間保存してつくったのです。これは、唾液の中の酵素の働きを利用したのです。「大隅国風土記」にも、口噛みの酒についての記述が残っています。こうした口噛みの酒は女性によってつくられたとのことです。
さらに興味があるのは、神にお供えする「御神酒」は若い未婚の女性の噛んだ酒でなくてはならなかったようです。この酒造りの風習の裏には、日本人独特の女性崇拝の信仰があったのだろう、という仮説も成り立ちます。
また、「杜氏(日本酒づくりの最高責任者)」という言葉も「刀自(とうじ:一家の主婦という意味)」からきたものだという説が有力で、日常の酒づくりも女性、特に主婦によってなされたことが伺えます。近代に入って、日本酒づくりは男の仕事であるかのような風潮が台頭してきましたが、もともとは女性の専売特許だったのです。
ところで、麹(こうじ)を用いて発酵させる方法は、奈良時代に、中国から伝わった、とのことであります。
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