今日はコーヒーにまつわる話をしてみます。
コーヒーの語源はアラビア語のカフワ(qahwa)が転訛したものという説とエチオピアにあったコーヒーの産地カッファ(Kaffa)がアラビア語に取り入れられたものという説があります。日本語のコーヒーは江戸時代にオランダ人によってもたらされたことにより、オランダ語のコーフィ(koffie)に由来しているということです。漢字では、皆さんご承知の通り、珈琲の字が当てられています。
コーヒーの原産地はエチオピア高原、というのが一応の定説になっているようです。この桜草に似た五弁の花の種子を砕いて、熱湯に浸して飲む方法を発明したのは1000年前のアラビア人です。イスラムの戒律で酒を禁じられていたアラビア人には一種の興奮をもたらす飲用として、代用したようです。300年後には、種子を炒って挽き、香りや味を楽しむ技術も覚えていたと、ものの本には記されています。
栽培品種は今では200種類以上あって、ブラジル、コロンビアなどの中南米、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの東南アジア、エチオピア、ケニアなどのアフリカ諸国のほか、ハワイ、イエメン、インドなどでも生産されています。また、名前の付け方がおもしろく、一般によく知られてもので、例えば国名からつけたものではコロンビア、山域ではキリマンジャロ、ブルーマウンテン、積出港からきたものではモカ、栽培地名ではジャワ、マンデリンなどのほかに特定の農園の名前のものもあるようです。1552年、ダマスカス(現在のシリア、アラブ共和国の首都)に世界最初のコーヒー店がオープンしたと言われています。日本にも、ヨーロッパ人がしきりに渡来しましたが、茶道の全盛期で、コーヒーなどには目もくれなかったようです。
1888年、東京に最初の喫茶店がオープンしました。明治時代の末から大正時代にかけてカフェーと呼ばれる全国的に普及しました。
江戸時代に長崎からコーヒーが輸入された時は薬としての効果を期待されたようです。その後嗜好品として広がりましたが、一時期風説も含めて健康に害があるといわれたこともありました。最近は業界の宣伝の影響もあって、むしろ効用の方が取り上げられている傾向が見られるのは周知の通りです。 |