毎年、文化庁が実施している「国語に関する世論調査」の結果の一部が新聞でも報じられました。調査項目は(1)言葉への関心について (2)場面ごとの敬意表現について (3)情報化の中でのコミュニケーションについて (4)「ら抜き」、「さ入れ」、「やる/あげる」について (5)言葉に関する感覚について (6)慣用句等の意味についてなど、です。
たぶん皆さんもそうだと思いますが、私はこの調査に興味があると同時に気になる点もあります。気になる点としては(4)の「ら抜き」、「さ入れ」、「やる/あげる」などの言い方(使い方)です。例えば、「食べれる」「見れる」といった「ら抜きことば」は、特に若い層に多いようです。また「読まさせていただきます」「包まさせていだきます」という「さ入れ言葉」も気になります。さらに、「木に水をあげる」「我が家のイヌにエサをあげる」などはもともと「水をやる」、「エサをやる」という謙譲語だったのが美化語として「あげる」と言うようになったのでしょうか。
「うちの子におもちゃを買ってあげたいけど、買ってあげれない」といった表現を聞くと、「うちの子におもちゃを買ってやりたいけど、買ってやれない」でよいのに、と思ったりします。
今ではほとんどの子どもや若者が口にしている“メッチャ”も日常的に聞いていると、いつのまにか耳慣れてしまいました。言葉は時代とともに変遷すると言いますから、仕方がないと言えばそれまでですが・・・。
「美しい日本語」もいずれ消滅してしまうのかと思うと、メッチャさみしい気がします。 |