「レストランももたろう」で話す内容としては、いささか心苦しい所もあるのですが、別に他意はありませんのでご容赦ください。
その話とはもう20年も前のことですが、アメリカでこんな実験が行われました。ネズミを三つのグループに分けて、第一のグループのネズミは普通に育てる。第二のグループは、食べたい放題食べさせる。第三のグループは食事を三分の二に制限して育てる。すると、普通に育てた第一グループが五百日の寿命だとすると、食べたい放題のグループは三百五十日しか生きないのに対して、食事を三分の二にした第三グループは七百五十日も生きることがわかった。
しかも、食べたい放題のグループは短命なだけでなく、伝染病にかかる率が高く、ガンの発生率もほかの二つのグループに比べて圧倒的に高かった。食事制限をしたグループは伝染病の発生率もガンの発生率も非常に低かった。
もとより、これはネズミの話であって、これをそのまま人間に当てはめるわけにはいかないでしょう。しかし同じ哺乳動物として、この実験をまったく無視することもできません。人間でも「ベルトの穴が一つ大きくなったら寿命が一年短くなる」と言われているように、ネズミの話を“他山の石となすべし”と言う一面もありそうです。
さらに不思議なことに、これはオスのネズミの話であって、メスの場合は、食べたい放題食べさせても、寿命は若干短い程度(一割程度)だったということです。ただ、メスの場合も食べたい放題のグループは伝染病の発生率は高かったが、オスほどの差はなかったと言う結果だったそうです。やっぱりメスは、どの動物でも、たくましいのでしょうか。 |