先日の東京都知事選挙は、東京都民ならずとも多くの国民の関心事でした。結果はご承知の通り、小池さんの圧勝に終わりました。このことに関していろんな話が飛び交いましたが、その一つに、選挙の手法に関して、小池さんを小泉元首相との対比で話を展開する人もありました。ロータリーでは政治の話はあまりなじみませんが、社会心理学では政治行動や投票行動などを研究している人もあります。こうした行動を国民性とのからみで分析することも社会心理学の興味あるテーマのひとつです。
小泉自民党は平成17年9月「郵政民営化選挙」で大勝利をおさめましたが、あの選挙のとき、自民党が広告会社スリードに依頼して作成させたといわれる企画が功を奏したのも勝因の一つでした。この企画書の詳しい話は割愛しますが、有権者(日本国民)をA層、B層、C層、D層に分類しました。そしてB層の心をうまく刺激したのです。ここでいうB層とは「構造改革に肯定的で、深く考えない層」「具体的なことはよくわからないが、小泉純一郎のキャラクターを支持する層」としています。
「改革なくして成長なし」「聖域なき構造改革」と「改革」を前面に押し出して、「郵政民営化に賛成か反対か」「改革派か抵抗勢力か」というAかBかの明快で単純化した二元論で、B層の人々の票を集めました。
小池さんの圧勝ぶりを見ると、「郵政民営化選挙」に倣ったのかどうかはわかりませんが、11年前の小泉流のあの手法を髣髴とさせました。 |