今日は黒田ガバナー補佐をお迎えしての例会ですが、あいにく下山会長が拠ん所ない事情のため欠席されていますので、私が会長の代理を務めさせていただきます。
私たちは、まだ5年前の東日本大震災を忘れていないのに、九州がマグニチュード7を超えるような大震災に見舞われました。そのうえ、いままで経験したこともないほど長きにわたって余震が続いています。犠牲にさられた方のご冥福をお祈りすると共に、被災された多くの人にも心からのお見舞いを申し上げます。
避難所での生活はほんとうに大変極まりないと思います。また、避難所によっては食べ物も十分に届かなかったり、生活用品を分配する人手が足りなかったりで、それどころか、避難所にも入れないで車の中で寝ている人も多くいらっしゃるようです。
そんな混乱した状況にあっても被災者たちは「我先に」とか「騒ぎ立てる」といったこともなく。整然とした様子で、助け合い分かち合いながら耐えていらっしゃいます。東日本大震災の時もそうでしたが、こうした日本人のある意味「けなげな」とも言える姿は世界の賞賛の的になっていると言われますが、そのとおりだと私も思います。
日本人は、誰の責任でもない天災に関して、わめいたり騒いだりしないという自制心・道徳心を持っており、「みっともないことをすれば恥になる」という心も失っていない誇るべき民族と言えます。こうした日本の文化を、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトは「恥の文化」と言いましたが、その精神構造によるところが大きいのかも知れません。また日本人はすでに正徳太子の時代から、みんなギスギスしないで仲良くやろうという、「和をもって尊しとなす」、あの精神が今も生き続けているのかも知れません。いずれにしても、「世界に誇るべき心性です」。
一刻もはやい復興を願い、義捐金を送ることにしたいと思います。
(大前副会長) |