■2015年12月3日（木）　晴れ　　第21回　　No.1241

　現職は日本バスケットボール協会会長ですが、サッカーJリーグの初代チェアマンのほうがピンとくる方も多いと思います。それが川淵三郎氏です。
　1936年大阪生まれの川淵氏は、意外にも小中学生時代は野球に打ち込み、大阪府立三国丘高校からサッカーを始めます。「遠征でいろんなところへ行ける」と誘われ入部したそうですが、先輩たちの指導を受け、真剣にサッカーに打ち込み、早稲田大学に進学。2回生のときに日本代表に選ばれ、卒業後は古河電工で入社し、1964年には東京オリンピックにも出場しました。1970年には現役を引退。1980年には日本代表監督も務めました。サッカーのプロ化に向けて力を注ぎ、「Jリーグ」を設立。初代チェアマンとして1993年のJリーグ開幕セレモニーでは「スポーツを愛する多くの皆様に支えられ、Jリーグは今日、ここに大きな夢の実現に向かってその第一歩を踏み出します」と 宣言し、国立競技場の大観衆の大歓声の拍手を浴びました。
　川淵氏は「しっかりとしたサラリーマン教育を受けてきたからこそ、何もない所からプロサッカーを立ち上げ、Jリーグやサッカー協会で難しい経営に携わることができたと思う」と述べています。
　そして、2014年、日本代表の国際試合出場が不可能になるほど混迷する日本バスケット界の改革を任され、今年5月からは日本バスケット協会会長に就任。全くバスケットボールには縁もゆかりもなかったそうですが、わずか6ヶ月で国際バスケット連盟からの制裁解除に導きました。女子日本代表は来年のリオデジャネイロ五輪の出場枠を獲得して、早くも彼の経営手腕が発揮されています。
　最後に彼の名言の一つ。「能力ある人材が揃っていても経営者に信念や戦略、リーダーシップがなければ持てる力を生かすことは出来ない」

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