アルゼンチンのサンタクルス州の南西に、世界自然遺産に登録された「ロス・グラシアレス国立公園」があります。ここは南極大陸・グリーンランドに次ぐ世界で第3位の面積をもつ氷河地帯として有名です。圏内には、47の氷河が存在し、その中でもっとも有名な氷河が「ペリト・モレノ氷河」でパタゴニアの氷河の代名詞です。
ペリト・モレノ氷河を見に行く多くの観光客の目当て現地の夏場(12〜3月)に見ることができる氷河の「大崩壊」です。巨大な氷壁の一部が崩れ、轟音をたてながら静まり返った湖へと落ちていく様子は自然の偉大さを実感することでしょう。また、氷河の見学以外にもロス・グラシアレス国立公園では、登山やトレッキングはもちろん、キャンプやカヌーといったアウトドアも豊富でパタゴニアの自然を満喫することができます。
ですが近年は地球温暖化の影響により南極をはじめ様々な地域で氷河が溶けたり氷に覆われている部分が年々小さくなっているとの発表もあります。2008年にはペリノ・モレノ氷河が現地では冬の時期に崩壊したそうです。この冬場の崩壊は、温暖化の影響とする説と、400年前の氷河のため、もろさから崩れた説など様々な意見がありますが、気候変動の影響で多くの山岳氷河が縮小しています。科学者たちは、熱帯アンデスの氷河は今世紀半ばにはすべて消滅すると予測しているほどです。
美しい自然を未来に残すため、環境問題の対策をさらに強化する必要がありそうです。 |