談話：下山副会長
佐久間勉という人物をご存知でしょうか。彼の行動は、当時世界中の人々から賞賛されました。その行動とは、第六潜水艦艇が明治４３年４月１５日に広島湾に沈没した際のことです。
この潜水艦の艇長をしていたのが、乱闘を佐久間勉その人です。当時訓練を行うため岩国を出航し、広島湾に向かった際に何らかの原因で艇内に海水が浸水し、乗組員が浸水を防ごうと懸命に作業するが、第六潜水艇は１７メートルの海底に着底してしまいます。付近にいた監視船が長時間たっても浮上しないことに気づき、必死に捜索した結果潜水艇は見つかりましたが、乗組員14人全員の死亡が確認されました。
当時この事故と同じような事故がイタリア海軍であった際、乗組員が脱出用ハッチに折り重なり、我先に脱出しようとしていた様子のまま亡くなっていたそうです。しかし、第六潜水艇においては、浸水箇所の修理をしていた２名を除いては、各人の持ち場についたままの姿で亡くなっており、佐久間艦長においては、事故原因や潜水艇の将来、乗組員遺族への配慮に関する遺書をしたためており、その行動は修身の教科書にも取り上げられていました。
享年30歳と若くしてこの世を去った佐久間氏は今の日本をみて、どう思っているのでしょうか。 |
