「菊」
錦秋の候 菊、コスモス、はぎなど咲き乱れ、柿、栗、ナシも実り、山々の紅葉が目にしみる。
今日は菊について一言。
黄菊白菊其の外の名はなくもがな 嵐雪(江戸時代中期)(菊なら何でも美しい)
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 凡河内躬恒(おおこうちのみつね)古今集(百人一首)
桜と共に日本の国花であり、皇室の紋章。中国では不老不死の薬効ありとされ、水墨画の画材四君主(竹、梅、菊、蘭)の一つとして宋時代から描かれた。
現在栽培されている菊は、分類上キク科キク属イエギク種(和名)(Chysanthemum x morifolium Ramat.)、原産地は中国で、野菊を交配して作られたらしく3000年の歴史があり、日本では中国で改良されたものが、奈良時代に遣唐使などによってもたらされたと言われている菊の品種は、大菊、中菊、小菊、スプレー菊、ポットマム、古典菊、食用菊がある。仕立て方によって三本仕立、一本仕立、千輪咲き、ダルマづくり、福助づくり、懸崖づくり、石付けなどがある。ヨーロッパにも、日本から1789年に伝わり西洋人好みに改良され、スプレー菊、ぽんぽん咲き、ポットマムなどの品種が作られている。
野菊
痩菊も よろよろ花となりにけり一茶
野菊はキク科の植物で、キクに見えるもののこと。キク族、シオン属、ハマべノニジギク属、ヨメナ属など多数あり、キク科植物は被子植物の中で最も繁栄しているものの一つ、世界で2万種以上、日本には350種ほど生している。ノジギク(兵庫県花)Chrysanthemum japonense Makino.Nakai) |