篠山でも「ナラ枯れ」広がる
県内では、但馬地方を中心に被害が出ていたが、篠山市内でも国道372号の北側で被害が広がっている。県と市は対策準備会議を設立した。
里山林で1970年代からマツ枯れが激増、1980年代からナラ枯れが目立つようになり毎年被害地域が拡大している。どちらも微生物による流行病で、これらの病気には共通の背景があり、森林と人間のかかわり方が重要な要因である。
甲虫「カシノナガキクイムシ」(カシナガ)のメス(体長4.7ミリ)がナラ菌や酵母菌などを保有しており、コナラやカシ、クヌギ、栗など広葉樹の幹に6〜9月ごろ侵入する。カシナガは集合フェロモンによって集中的に穿入(マスアタック)し集団発生する。病原菌である、ナラ菌は樹木の樹液の流れを妨げ、7〜10月にかけて樹木が枯れる。葉が紅葉したように突然紅くなる。被害木は、樹幹に直径2ミリ弱の円形の孔が空いており、孔からフラスが出ていたり根元にフラスが堆積している。
カシナガの防除(枯死木玉切り薬剤処理)予防法(シートによる樹幹被覆塗布剤、殺菌剤樹幹注入、塗布)については効果的な方法はまだ出されていない。
大木や老木ほど被害が大きいと言われている。里山が昔、薪炭林として活用した時代にはなかった事であり、放置され大木化した里山のあり方の課題でもある。
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