少しずつ春らしくなってきました。春といえば入学式が思い浮かびます。特に新小学生の背中で輝いているピカピカのランドセルが眩しいものです。
ランドセルの歴史は、明治20年、時の総理大臣の伊藤博文が大正天皇の入学祝に特注した物が始まりと言われており、近代日本の歴史と共に歩んできた物といえます。現在では各企業も工夫を凝らして色やデザインが多様化し、マイナスイオンを発生させるものや犯罪ブザー付きのもの、GPS搭載ランドセル等々、実に様々なものがあります。
しかし、日本独自の文化ともいえるランドセルの利用割合は高学年になるに従って減少し、昭和40年から50年代初期までランドセルの使用を廃止し、手提げバッグ等で通学していた時期があったようですが、当時の子供達の背骨を検査したところ、80%以上の子供たちに背骨の湾曲が見られたと言います。その後は子供たちの成長を考え、負担のかからないランドセルを6年間背負よう指導し、今日に至っているようです。世界に目を向けると、低学年の時に一定重量を超えたランドセルを背負わせると成長の妨げになるという理由から学校側が罰せられる国もあるそうです。
文化や教育方針の違いもあり、情報や価値観等も移り変わっていく現代社会ですが、時代が変わっても本質は変わらないものではないでしょうか。
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