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「第91回全国高校野球選手権大会決勝戦をテレビ観戦して」
9回裏10対4で迎えた中京大中京高校(愛知)はすでに二死走者無しとし、監督も選手も、応援団も、観衆も、誰の目にもこれで中京大中京の優勝かと思った。
勝負は下駄を履いてみるまで分からないと言うが、日本文理(新潟)の粘りはここから始まった。中京大中京も投手を堂林、森本とつないで防戦したが日本文理の攻撃は止まらず。10対9まで追い上げられ、なおも走者1,3塁と1打同点、サヨナラの場面まで来てしまった。(結果は3塁強襲打であったがゲームセットで中京大中京の優勝)
野球はツーアウトからというが、日本文理はものすごいものを見せてくれた。選手も監督も誰もが最後まであきらめず、これぞ高校野球の神髄、まだに本領を発揮し見せてくれた。
並外れの体格と力量を持った高校生離れの選手を多数擁し、夏6回優勝経験のある中京大中京に対し、日本文理の大井監督は、「ウチの打線は火縄銃や」と謙遜されたが、ダイナマイトかと思われるほどの爆発力を見せ、「自分たちのやってきた野球は間違っていなかった」と言わしめた。
準決勝で中京大中京に敗れはしたが花巻東高校(岩手)の戦いぶりや、ベンチでの一丸となった戦いぶりは高校生らしく、すがすがしく最も印象深いチームであった。
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