そろそろフグの美味しい季節となってきました。　しかしフグには猛毒があります。
　フグは餌を通じて毒を持つことが知られていますが、元長崎大学教授で　毒物学の野口玉雄氏　によりますと、「フグ毒のテトロドトキシン（ＴＴＸ）を作り出すのは、どこにでもいる　ビブリオ菌　などの海洋細菌で、これをプランクトンが食べ、巻貝が食べ・・・と、食物連鎖の過程で　ＴＴＸ　が濃縮され、最終的にフグの肝臓などに蓄積されると考えられる」、と述べられています。

　天然のフグは、ＴＴＸ　を持つ餌を選んで食べる習性があるので、季節に係わらず毒化するとも言われております。

　野口氏らは２０年以上にわたる調査で、トラフグの養殖では海洋細菌が体内に入っただけでは毒化せず、ＴＴＸを有る程度濃縮させた海底生物を食べなければ、無毒であることを確認されてこられました。

　これらのデーターを基に、トラフグの肝を食用にする特区構想を提案されましたが、食品安全委員会は拒否を致しました。

　肝は食べたし、命は欲しい・・・ということでしょうか・・・。