2007年現在になっても、どうしても彼の姿勢(肉体改造、キンピカアクセサリーなど)に慣れないアポロでございます(笑)。そんな中 |
届いた彼の4年ぶりのオリジナルアルバム。最初に全体的な感想を言ってしまうと、”長渕剛じゃなきゃ作れないな!”と感じる曲は数 |
曲しかありませんでした。あとの曲は「誰かが作った歌を長渕剛が歌っている」という印象しか浮かばないのです。決して彼の作品を |
クサす気はありませんが、やはり昔に戻って言葉上だけではないストイックさを見せてほしい・・・というのはわがままでしょうか?ラブ |
ソングも彼独特の痛みを感じることなく素通りしていってしまうものがほとんどでした。「5.観覧車」などは「ブルーハーツの曲か?」と思 |
ってしまったほどだし(苦笑)。彼の生まれ育った街・鹿児島を舞台にした絶叫曲「1.鹿児島中央STATION」、アルバム『HOLD
YOUR |
LAST CHANCE』の頃のサウンドを彷彿とさせる「2.Fighting
Boxer」、「7.レオ」は愛犬に対する思いを歌った曲。できたらこのメロディ |
ーで違う内容の曲を聴いてみたかったな。「8.神風特攻隊」・・・このタイトルがどうしても好きになれない。いや、こんなタイトルをつけて |
いいんだろうか?と疑問に思う。この曲は「神風特攻隊を美化している」と言われても仕方のないような気がする。あまり曲の好き嫌い |
を言うボクではないですけど、この曲は”大嫌い”です。美しい旋律とともに歌われた「9.Tomorrow」・・・「8.レオ」同様、メロディーそのま |
まに別の内容の歌が聴きたい一曲。ここまでまるでこの盤の批判しかしてない感じがしますが、好きだからこその批判なのでお許しい |
ただきたい。ですがここからの3曲はまさに長渕剛!と言いたくなる名曲が続きます。タイトル曲「10.Come
on Stand up!」のこの苦境 |
から何とか立ち直ろうとするハングリーさ。まさに彼の真骨頂だと思うな。桜島ライブのDVDで演奏されていた「11.夕焼けの歌」がまた |
絶品。この繊細さと悲しみの中をなんとか光を探して歩いて行こうとする少年の姿勢に心打たれます。そして父親版「コオロギの唄」と |
も言うべき「12.鶴になった父ちゃん」。今までの彼の歌の中に父親だけをテーマにした曲はありませんでした。ボクも男だからわかりま |
すが、やはり同性の親を歌うっていうのはちょっと照れくさいところありますよね。亡くなって初めて書けたっていうのはすごくよくわかる |
気がします。ちょっとさだまさしみたいな部分が気になりますが(笑)美しい曲です。瀬尾一三氏のアレンジがこの曲だけっていうのもす |
ごく惜しまれます。なんだかんだと賛否両論書いてきましたが、やっぱりボクは彼の歌が好きだってことなんだと改めて気づきました。 |