木下貴雄

就業規則の規定例と診断結果のサンプル

一部抜粋して診断いたしました。一般的な就業規則によくある規定です。診断結果のサンプルとしてご覧ください。なお、法律違反については省略しています。

通勤手当

第○○条
通勤手当は、月額○円までの範囲内において、通勤に要する実費に相当する額を支給する。

通勤手当の診断結果

通勤距離が2km以上など通勤手当を支給する者を限定する場合は、これを明示しておく必要があります。

遠回りをして通勤手当を多く受給しようとするのを防止するために、本人の申請に基づいて会社が認めた通勤経路で往復した場合の費用とする旨の記載を追加した方が良いでしょう。

虚偽の申請や届出を怠って通勤手当の支払を受けた場合は、支給した金額を返還させる旨の記載の追加が必要です。

また、悪意をもって不正に通勤手当の支給を受けたと会社が判断した場合は、以後の支給を停止することがある旨の記載を追加しても良いでしょう。会社をだまして手当を奪い取る行為は信頼関係を壊すものですから、以後の支給停止など厳しい処分で対応するべきと思います。実際に以後の支給を停止するかどうかは別にして、このように規定しておけば不正を防ぐ効果が見込めます。

(・・・その他 省略)

服務規律(遵守事項)

第○○条
従業員は次の事項を守らなければならない。

  1. 会社の機密事項を他に漏らさないこと
  2. 以下省略

服務規律(遵守事項)の診断結果

会社の機密事項だけでなく、会社の不利益となる事項も追加した方が良いでしょう。

機密事項については、職務上知り得た個人情報を含むことを明確にしておいた方が良いでしょう。個人情報の漏洩によって、会社に大きな被害が及んだという事件も少なくありませんので、最近では特に重要です。

会社の機密だけでなく、取引先の機密についても漏洩してはならない旨の記載を追加するべきです。取引先の機密にも触れる機会がある従業員がいて、それを他に漏らされると、今後の取引に悪影響を及ぼしてしまいます。

会社の機密に接した従業員については、退職後も守秘義務がある旨の記載を追加するべきです。

また、この規定に違反した場合は損害賠償を請求することがある旨を追加するべきです。当社従業員としての自覚を促し、また会社は機密漏洩に対して厳しく対処するという意思を伝えるためにも必要です。

(・・・その他 省略)

退職

第○○条
従業員が次のいずれかに該当するときは退職とする。

  1. 退職を願い出て会社から承認されたとき
  2. 定年に達したとき
  3. 休職期間が満了しても復職できないとき
  4. 死亡したとき

退職の診断結果

本人が行方不明となって無断欠勤が1ヶ月以上に及んだときを追加するべきでしょう。つまり、1ヶ月以上の無断欠勤という行為自体が、従業員からの退職の意思表示であるとみなして退職させます。

この規定がなければ、本人に解雇の意思表示ができません(解雇は本人に通知しなければなりません)ので、法的には公示送達(本人の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に申立て、裁判所の掲示板に掲示する)などの手続きが必要になります。この規定を加えれば、自動的に退職することになりますので、公示送達の手続きが不要になります。

また、行方不明が1ヶ月に達した時点で自動的に退職となります(解雇ではない)ので、解雇予告の手続きが不要になります。更に退職金の不支給事由にこれを追加すれば、退職金の支払も不要になります。

(・・・その他 省略)

就業規則の変更のポイント

少し難しいかもしれませんが、就業規則の変更のポイントは分かると思います。

行方不明の取扱いについては、市販されている就業規則関連の書籍にもほとんど書かれていません。トラブルが起きないようにするためには、このように変更(追加)するべきなのですが、社会保険労務士が作った就業規則でも漏れている場合があります。

ここで取り上げたもので10項目ですが、平均的な就業規則(賃金規程等も含む)では指摘ポイントは約185項目ですので、このような指摘が残り175項目ほどあることになります。

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