木下貴雄

違法状態なので就業規則に規定したくない

  • 労働基準法で決められているとおりに残業手当を支払っていないので、就業規則(賃金規程)には、残業手当に関する規定を載せたくないのですが、何か良い方法はありますか?
  • 労働基準法どおりに残業手当を支払うよう努力するのが、一番良い方法と思うのですが...

就業規則に具体的に記載しない方法

労働基準法の内容を社員に知られると、労働基準法どおりの残業手当の支払いを求められるので、就業規則(賃金規程)には、残業手当の具体的な計算方法を記載したくないと言う経営者が、たまにいらっしゃいます。

残業手当に限らず、年次有給休暇に関しても、「具体的な年次有給休暇の付与日数を就業規則に記載したくない」と言われたことがあります。

しかし、労働基準法に違反する内容を、就業規則に規定することはできません。違反する内容を就業規則に規定しても、労働基準法が優先されます。

そのような場合は、「時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当は、それぞれ労働基準法の規定により支給する」と、具体的な計算方法を書かない方法もあります。

しかし、このように就業規則(賃金規程)に記載したとしても、違法状態が続くのであれば、問題を先送りしているだけで何も解決しません。

社員数が多くなる前に

将来、社員が労働基準監督署に駆け込んだりして、問題が表面化して、労働基準法どおりの残業手当を支払わされることは十分に考えられます。

そのときに、社員数が多くなればそれだけ会社に与える影響も大きくなります。社員数が多くなる前に、法律に適応した環境を整えるのが賢明と思います。

労使間の信頼関係

また、残業手当の不払い等が原因になって、労使関係が悪化すれば、労働基準監督署に駆け込まれる可能性が高まります。

労使関係が悪化して問題が表面化してから、強制的に労働基準法に基づいた取り扱いに変更させられるのと、労使関係が悪化する前に会社から進んで変更するのとでは、社員が受ける印象は全く異なります。信頼関係にも大きく影響します。

企業経営において、労使間の信頼関係は何よりも重要なことです。数万円、数十万円を惜しんで、信頼関係を壊すことは賢明ではないように思います。

実際の負担増を計算

労働基準法どおりに残業手当を支払ったとして、どれぐらいの負担増になるのか、検討してはいかがでしょうか。

賞与を支払っているのであれば賞与を減額して、法律どおりに残業手当を支払うべきです。

そうすれば後ろめたい就業規則ではなく、正々堂々とした就業規則になると思います。

就業規則の内容について