木下貴雄

就業規則にはどんなことでも書いて良いのでしょうか?

  • 就業規則にはどんなことでも書いて良いのでしょうか?
  • 法律に違反する内容は規定できません。

法律に違反する就業規則

就業規則に、労働基準法に違反する内容を規定しても、労働基準法が労働条件の最低基準として定められていますので、労働基準法の内容が優先して適用されます。

例えば、10分の遅刻に対して、10分ぶんの賃金を減額しても問題はありませんが、10分の遅刻を1時間に切り上げて賃金を減額することは認められません。

10分の遅刻に対して1時間分の賃金を減額すると、50分ぶんの賃金の不払となり、労働基準法違反になります(懲戒処分の減給処分を行うことも考えられますが、本題から外れますので、ここでは省略します)。

また、よくあるケースとして、割増賃金の計算の基礎に算入すべき賃金(手当)を、割増賃金の計算の基礎に算入していない場合も、労働基準法違反となります。

就業規則のその部分(労働基準法等の法律に違反している部分)は無効になり、労働基準法等の法律が適用されます。

法律に違反する就業規則の届出

このような労働基準法に違反する規定をした就業規則を、労働基準監督署に届け出ると、法律違反のため受け付けてもらえず、労働基準監督署から修正を求められることがあります。

また、労働基準法に違反する規定をした就業規則を、 労働基準監督署に届け出たときに、労働基準監督署の職員が法律違反の規定を見逃して、そのまま就業規則を受け取ることがあります。

しかし、それで、その就業規則が有効になる訳ではありません。後日に違反が発覚したときは、労働基準法に基づいて処理するよう求められます。

合理的な就業規則

次に、就業規則は、合理的な内容であることが求められます。

就業規則は、職場の労働条件を定めたものですが、会社が一方的に作成するものです。

また、就業規則を作成又は変更する際に、従業員代表(又は労働組合)の「意見を聴く」ことが労働基準法で義務付けられていますが、同意を得ることまでは義務付けられていません。反対意見であっても認められます。

無制限に認めていると、会社が一方的に有利になります。したがって、過去の裁判例により、就業規則は合理的な内容であることが求められています。

労働契約法第7条においても、「使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。」とされています。

「合理的な内容」が、具体的にどのようなものかは、それぞれの会社によって異なりますので、判断が難しいですが、常識的に考えれば良いと思います。

1回の遅刻で、即時に解雇するといった規定は合理的ではないでしょう。社員の過半数以上が納得する内容であれば問題ないのではないでしょうか。

就業規則の内容について