私のお気に入り

ここでは私が聴いたLP・CD・演奏会から特に印象に残ったものを紹介します。
気まぐれに書きますので、不定期な物になります。


第四回目は私の好きな作曲家です。

 アントン・ブルックナー(1824〜1896)

 いよいよブルックナーのについて書くことになりました。
第一回目に登場する予定でしたが、どうしても筆(キー)が進まなかったのです。
今も「第9番」を聴き終えてから書いているのですが気が重いのです。
ブルックナーがお好きな方はどんな聴き方をしているのでしょうか?
また、どの指揮者(演奏家)の演奏を高く評価しているのでしょうか?

私の好きな曲から書きましょう。
まず「第9番」その後は8番・5番・6番・4番・7番・3番の順番でしょうか・・・
こう書いてしまうと違う様な気もしてきます。(やはり難しい)
本当は9番・6番・8番・5番・7番・4番・3番の順に曲を評価しているのですが、
私にとってブルックナーほど演奏によって大きく左右される作曲家はありません。
例えばバッハ・ベートーヴェン・モーツァルト・・・は演奏によっては
「なるほど、その様な表現も有りだな」と寛容に受け入れることもありますが、
ことブルックナーになると「こんな演奏は問題外!」と思ってしまうのです。

ブルックナーは私に何を語りかけてくるのでしょうか。
簡単に書いてしまいましょう。
「4番・7番」は自然との対話であり賛歌でもあると感じられます。
「5番・8番」は神との対話と祈りと浄化を感じます。
「6番・9番」はもう宇宙と言うか・・・自分自身の中にあるものと自分を取り巻く
全ての空間と時間、そしてそれを超えた「なにものか」との対話と感じます。
それは耳でもなく脳にでもなくまさにDNAに直接語りかけてきます。
永劫性・深遠性・憧憬・感謝・なつかしさ・神秘・脈動・そして浄化・・・・
なんと表現すれば良いのでしょうか、音楽を言葉にすることは難しいです。
よく「宗教的」と書かれますが、そのように感じることもあります。
しかし「宗教的」とはかなり違うとも思います。

やはりうまく表現できませんでした。申し訳ありません。

話題を変えて演奏の話にしましょう。
好きな演奏は?
ブルックナーを聴くようになって20年以上になりますが、
当時は、それこそブルックナーときくと必ずコンサートには出掛けました。
また、手に入るLPはあれこれと買いあさり、
休みに日は一日中聴いていた時期がありました。
しかし体の芯までふるえるようなコンサート(生)にはまだ出会っていません。
いつかは出会えると信じていますが、
今はLP(CD)で聴くことが私のブルックナー体験の9割を占めています。
一部で強烈な信者のいる「朝比奈隆」は数度聴きに出掛けましたが
CDと同じく強い印象はありませんでした。(第8番に関して追記があります)
かと言って否定的でもないのですから、悪くはないのでしょう。
ここ数年急に評価されだした「ヴァント」は、随分前から熱心に聴いてきました。
確かに「ケルン放送SO」との録音より「北ドイツ放送O」との録音のほうが好きです。
ただ最近の「ベルリンPO」との録音はあまり感心しません。
(最新の「9番」にいたっては、あまりにも磨きすぎために
 時々「カラヤン」の面影が浮かんできました。この部分2001/11 記)
指揮者の意識とオーケストラのうまさが目立ちすぎます。どうしたのでしょうね。
ヴァントに関しては最近ちょっと騒ぎすぎの感があります。
以前、コンサートに出掛けましたがLPで聴く以上の体験ではありませんでした。
(ヴァント氏もご逝去されました。2002/2)
マタチッチ」ヨッフム」(追記あり)も好評のようですが、私には相性が悪いようです。
(ヨッフムとヴァントに関しては追記あり)

「じゃー、お前はどの演奏が気にいっているんだ!」という声が聞こえます。
んんんんんん・・・・・
じつを言えば、その時々で違うのです。(お恥ずかしいかぎり)
このままでは終われませんので、数点のディスクを紹介しましょう。

第9番:ジュリーニ(指)シカゴSO
 このLPは私がブルックナーにはまるきっかけとなった演奏のため外せません。
しかし今は、あまり聴くことはありませんね。やはり、管楽器が出過ぎています。
このオーケストラはブルックナーに向かないのでしょう。
ウィーンPOとの再録は、たまに聴いていますが期待以上ではありません。
ジュリーニはブルックナー指揮者としての素質はあるのでしょうが、
なぜかウィーンPOとの第8番は全く良くありません。

1996年のライヴ録音(シュトュットガルト放送SO)を聴きましたが、
この録音はジュリーニと第9番の相性のよさを思わせます。(この部分、2008/5 記)


第8番:クナッパーツブッシュ(指)ミュンヘンPO
 この盤も随分お世話になりました。
改訂版を使っての演奏ですが、大きな弱点とはなっていないと感じます。
彼の場合、この8番を除いて評価できるブルックナーの演奏は体験していません。
この曲だけが特別なのかもしれません。
ベルリンPOとのライブ盤も楽しんでいます。
ちなみに、この指揮者のブラームス第3番を愛聴しています。
(日本ヴィクターのCD(リマスター盤)は期待したのですが・・・残念です。)

第7番:朝比奈隆(指)大阪PO(有名な聖フローリアンでのライヴ録音)
 数多い朝比奈氏の録音のなかではもっとも高く評価します。
むろんオーケストラの力量が問題にされますが、終楽章以外は気になりません。
有名になればなるほどに指揮者の存在が邪魔になってきています。残念!
本人が語っている「自己を消した」20年ほど前にもう一度戻れれば・・・・
もう少し長生きしてすばらしい「ブルックナー」に到達してください。
(残念ながら2001年末にお亡くなりになりました。)

第6番:クレンペラー(指)ニュー・フィルハーモニアO 
 なぜかクレンペラーのブルックナーはこの演奏のみすばらしいと思います。
非常に厳しくもあり又深くもありブルックナー演奏の理想です。
6番の演奏は他に良い物が見あたりません。だれか教えて下さい!
(EMI盤のチェリビダッケの録音は気に入っています。)
9番の録音も世評は高いのですが私にはもう一つといった感じですね。
晩年の録音はベートーヴェン・シューマン・・・どれも好きです。
以前は晩年の演奏は遅すぎると思っていたのですが、
私も年を重ねると共に「クレンペラー」のファンになってきました。
この録音のおかげで私にとって第6番の地位が高くなりました。

第5番・第4番:ケンペ(指)ミュンヘンPO
 最も感謝すべき録音です。感謝・感謝!
是非とも輸入LP盤を探して聴きなおして下さい。
CD・国内LP盤では体験できない世界があることを認識させられます。
もう少し長生きして他の曲も録音を遺していればと思います。
やっと第8番のCDが出ましたね、後半が特にすばらしい。

クーベリックは「マーラー」のライヴ録音がよく発売されますが、
ブルックナーも出して貰いたいですね。

シューリヒトに関しては世間の評判が随分いいですね。
私も好きな指揮者ですが、淡々と演奏した時の録音を好みます。
やはり、9番(EMI盤)と3番(プライザー盤)が気に入っています。

ザンデルリンクは録音が少ないのが残念です。
ライヴ録音の発売を期待しています。
この人の演奏はどの演奏も満足できるレヴェルにあります。
(最近出た7番はちょっと期待はずれでしたが・・2001/5 記)
現役の指揮者ですが、日本ではもう聴けないでしょうね。

チェリビダッケはEMIから晩年の録音がたくさん発売されました。
私は曲によって好き嫌いがはっきりと分かれます。
ベートーヴェン・モーツァルトなどは、あまり楽しめません。
ブルックナーとシューマンやチャイコフスキーに関しては、
一部には「とてもついていけない」との声がありますが、気に入っています。
ただこの人の発言内容と態度はあまり感心できませんが、
演奏が良ければ我慢しましょう。
私にとっては彼はブルックナー指揮者という認識ですね。
3番〜9番までどれもかなり高い満足度があります。
1980年(?)にコンサート(ブラームス 他)を聴きましたが、
やはり、良い意味でも悪い意味でも印象に残る演奏でした。

             (ここまでは2000.11.17  記)

朝比奈隆の第8番(2001/7収録)を聴きました
いやー素晴らしい演奏ですね。
彼の録音でも随一と思われます。
最終楽章でちょっと息切れ(緊張感の途切れ?)を感じますが
話題のヴァント盤よりは上出来でしょう。
最晩年の演奏会は聴いておくべきだったかな・・・・
まさに「神との対話」を感じ取れる第一級のCDなのですが
演奏後の「ブラボー」まで収録されているため
聞き終わった瞬間に、今のは怪しい新興宗教の「教祖との対話」だったのか!
とちょと興ざめしてしまいますね。残念!!
(2002/3 記)


オイゲン・ヨッフムの第9番・ミュンヘンPO(1983/7収録)
んんん・・・・これもまた驚きの演奏です。
ブルックナーの権威と言われてきましたが、私はどうしても気に入らなかったのです・・・・
しかし、この録音すばらしいですね。
まず、ミュンヘンPOの御蔭なのか、ヨッフム自身の熟成なのか?
管楽器が強調されすぎることも無く、弦楽器の透明感と厚みのバランスもすばらしい!
このCDは愛聴盤になりそうです。
(2008/2 記)

ギュンター・ヴァントとミュンヘンPOの第8番 他
晩年の録音ですが、ヴァントの録音では出色の出来です。
これもミュンヘンPOの御蔭か?!
この一連のライヴ録音は誰にでも薦められる演奏ですね。
(2008/5 記)

PS:どの指揮者も老いてからの演奏がいいですね。





 

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