Laboratory is his space

すべてがFになる
冷たい密室と博士たち
笑わない数学者
詩的私的ジャック	(2001.9.23)
封印再度	(2001.10.12)
幻惑の死と使途	(2001.11.14)
夏のレプリカ	(2002.1.8)
今はもうない	(2002.1.8)
数奇にして模型	(2002.2.27)
まどろみ消去	(2001.11.20)
黒猫の三角
人形式モナリザ
月は幽咽のデバイス	(2001.8.24)
魔剣天翔	(2001.8.25)

すべてがFになる

The Perfect INsider
「冷たい密室と博士たち」の後の読んだ作品。著者の森さんも言ってるけれどもこの研究所レベルのITはSFじゃなくて実現可能なんでしょうね、すでに。密室の謎はちょと苦しい気がしました。どちらかと言うと緻密な計算よりでたとこ勝負のような感じです。
萌絵のあまりの「お嬢様」ぶりにびっくりしました。「冷たい密室と…」よりもお嬢様レベルが高くないですか？

冷たい密室と博士たち

Doctors in Isolated Room
実は「すべてがFになる」よりも早く読んだ森作品。書店に森のミステリーを買おうと思って行ったら「F」が無くて代わりにこっちを買って来ました。次の日に出かけるんで暇潰しの本がどうしても欲しかったので。
� なんかあの平面図は見ずらくてよく密室については考えませんでした。自分自身が大学の研究室に在籍しているので会話にはバッチリついていけました。というか、笑えました。「UNIXとは…」とか「誰がrootなんだ」とかマニアックなセリフはニヤニヤしながら読んでました。やっぱり研究室ではWindowsでなくUnixの方が普及しているのですね。

笑わない数学者

MATHEMATICAL GOODBYE
オリオン像の消失に関しては早い段階から答えがわかりました。犯人もオリオン像消失が説ければ一意に決まるので僕にしては珍しく勘でなく犯人を指摘できた作品です。…と思ったら森博嗣のホームページに「意図的に簡単なトリックにした」みたいなコメントが書いてありました。あ、自慢するようなことじゃなかったんですね。さらに「逆トリックには気づかない人が多い」ともありました。さっぱりわかりませんでした。やっぱり今回も完敗でした。

詩的私的ジャック

Jack the Poetical Private
今までは一応「巻き込まれて」型で事件に関わっていた犀川先生ですが、今回は「首をつっこんで」解決した方になるのかな。西之園一族に首ねっこ捕まえられていたような感じですが。やっぱりいつも身の周りで殺人事件が起こるのには無理がありますよね。某金田一や某コナンの漫画みたいに出かける先々でいつも殺人事件が起こるというのも不自然ですからね。いや、あの漫画は好きなんですよ。
萌絵ちゃんが大人に成長していってます。まだ子供みたいな所もありますが、「すべてがFになる」とくらべると格段の成長です。大学院にも進学するようですし。僕自身、大学院に進学しているのですが、いろんな意味で厳しい世界です。でも、萌絵ちゃんは厳しいと思わないんだろうなあ。

封印再度

Who Inside
最近、萌絵の初登場時のスーパーお嬢様っぷりがおとなしくなったなぁ、と思っていたのですが間違いでした。大爆発です。普通はこんなこと出来ないです。犀川先生はもっとビシッと言ってやってもいいです。でも僕的にはかなりOKな感じでした。
そして短篇でお馴染みの佐々木睦子さんの初登場作品です。最初から「睦子節」全開です。睦子さんも僕はけっこう好きなキャラです。と言うか森博嗣の描く女性はほとんど好きですね。そう言えば瀬在丸シリーズの香具山紫子の前身っぽいキャラがでてますね。
この話のトリックはかなり好き。こういう話をさらりと読めるのはすごいと思う。このトリックを下手に使うと「なんじゃそりゃ！」っと言うか消化不良な感じになると思うんです。でもこの作品ではそんなのはちっとも感じませんでした。犀川チックな考え方が身についてきたのでしょうか？

幻惑の死と使途

Illusion Acts Like Magic
萌絵の立場がかなり強化されてますね。もう警察おすみつきって感じです。僕としてはもう少し警察（三浦さん）と一悶着あって欲しかったです。ちょっと愛知県警は萌絵と犀川に頼り過ぎ。三浦さんの切れ者っぷりがもう少し読みたかったなぁ。それから鵜飼さん情報漏洩しすぎ。
浜中さんも頑張って準レギュラーの座を不動の物にしつつありますね。出番がどんどん増えて来てます。犀川、萌絵、国枝らの中で彼がスバ抜けて平凡（常識人）なのでほどよいアクセントになっています。

夏のレプリカ

REPLACEABLE SUMMER
「幻惑と死と使途」と対の作品。犀川と萌絵が前半はほとんど出て来なかったので少し寂しかったです。ただ、そのかわり今までよりもミステリィ色がよく出ている感じでした。今回のトリックは秀逸で僕は好きですね。
今度、「幻惑の死と使途」と合わせて章番号の順で読んでみようかなと考えてます。すごくめんどくさそうだけどタイムスケジュールがよくわかっておもしろそうですよね？

今はもうない

SWITCH BACK
本編の謎の他のもう一つのトリック（というか、こっちがメイントリック？）に心地よくだまされました。「あれ、おいおい、どうすんのこれ？」といった感じで途中まで読んでいたのですがオチで納得。あぁー、やられたなぁと思うと同時に密室の謎の扱いが弱くなってしまった感じ。やっぱりこの話のメインは密室のほうじゃないでしょうね。
しかし犀川先生、探偵としての比重が軽くなってきてますね。もうちょっと探偵役としての活躍が見たいです。今回は犀川以外の人物がすべて謎を知っていたから犀川先生が最短で謎を解いてもあまり目立たないのはしょうがないのですが。

数奇にして模型

Numerical Models
この話の「エピローグ」の部分、いらないんじゃないでしょうか？なんか雰囲気ちがうし。

今回はサブレギュラー陣がけっこう活躍してましたね。今までに無い一面を見せたというか。特に金子君。いままでは弁当を買ってくるぐらいしか出番がなかったのに大活躍です。彼はいい漢です。代わりにサブレギュラーの中で今回もっとも出番の無かったのは浜中さん。もうちょっと彼には頑張って出演してもらいたかった。

大御坊ですが、僕の中で彼のイメージは「ピーコ」です。

まどろみ消去

Missing under the Mistletoe
短篇集。ミステリーな話から詩的な話まで盛り沢山。
一番このなかで僕が気にいったのが「真夜中の悲鳴」です。ミステリーの短篇って下手すると最後の１ページで大ドンテン返し、というパターンになりがちなのですが、この「真夜中の悲鳴」はちゃんとミステリーしていて良かったです。伏線が沢山張ってあってそれらがきれいに消化されていく。ラストも秀逸。短篇ならではの面白さがよくでていると思います。
あと、「誰もいなくなった」も良いですね。ミステリ研がしかけた謎ならば解けるはずだと結構考えました。正解には達しませんでしたが。

黒猫の三角

DELTA IN THE DARKNESS
前半は読むのにちょっと疲れました。人名が難しすぎる。保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子、瀬在丸紅子とフルネームで漢字一発変換出来ない名前ばっかり。読み方もよく忘れてちょくちょく登場人物一覧で確認しながら読み進めました。
あと、コイツらキャラが立ちすぎ。こんな原色の性格の奴らが4、5人まとめて出て来たんで圧倒されました。後半慣れましたけれど。
今、森博嗣のホームページを見て来たんですけれども、この話は「瀬在丸紅子」シリーズだったんですね。てっきり「保呂草潤平」シリーズの序章かと思ってました。

人形式モナリザ

Shape of Things Human
読みにくい話でした。なにがって人名が把握しきれません。レギュラー陣の名前が難しいのはもういいとして、人形博物館の家族の名前がごちゃごちゃになりました。主人公サイドとの絡みがほとんど無いままポンポンと博物館サイドの人間が登場する。しかも、その家族構成が複雑で単純に長女、とか次女とかの括りができないのがまたややこしい。数的にそんなに大勢の人物がいた訳ではないのですが、途中で人名を把握するのをあきらめて流し読みをしてしまいました。
裏表紙のアオリ文句のとおり、最後の一文には驚きました。やはり、犯人は悪魔を退治したのでしょう。

月は幽咽のデバイス

The Sound Walks When the Moon Talks
森川素直がいい味を出しています。濃いキャラばかりのこのシリーズで彼のポジションは清涼剤といった所でしょうか？前作では本当に森川君はいてもいなくても良い存在だったのですが、今回の活躍（天然ボケ？）は良いです。今後に期待できます。
練無と紫子の漫才も健在で御屋敷での彼らには爆笑ものです。
肝心のミステリー部分ですが…まあ、こんなんもありでしょうか？紅子たちがいなくても警察だけで解決できた気もします。トリックは太田忠司っぽいですね。

魔剣天翔

Cockpit on Knife Edge
今のところ、瀬在丸紅子シリーズで一番好きな作品です。今回の練無くんは涙無しには語れません。読んでいて練無くんの心情が痛いほど伝わって来ました。でも、「男は泣いた数だけ強くなる」といいますから、きっとパワーアップして戻ってくるでしょう。
暗号ですが、答えを聞いているので「ここの文字をこう変換すればいいんだ」というのはわかったんですが、その変換方法が暗号のどこに隠してあるのかがわかりません。答えを知っている人は教えてください。

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