十角館の殺人
暗闇の囁き (2001.9.7)

十角館の殺人

十角の館の話
言わずと知れた綾辻のデビュー作。僕もこの作品で ミステリーの世界にハマりました。あの一行(十角館を 読んだ人ならこう書くだけでわかるあの一行)で ギャフンと言ってしまいました。あの行を読んだ時はえらく 興奮というか、ドキドキしたのをおぼえています。 世界中でだれも知らない秘密を 自分だけが知っているような気がしながら残りを イッキに読んでしまいました。
まだミステリー初心者の内にこの作品を読めたことを 非常に幸運だと思っています。

暗闇の囁き


囁き三部作の中で一番好きな話です。時間を忘れて グイグイと引き込まれるように一気に読んでしまう作品に 時々出会いますが、この「暗闇」がまさにそれでした。
物語的に(この場合ミステリー的にと言った方がいいのかな)は そんなに斬新な話だとは思いませんでしたが、非常に面白かったです。 田舎に休暇に来た主人公に可憐なヒロイン、美系の双子に 厳格な父親と人形のような母親、厭味なオバさんとドラ息子と 現実社会では非日常的、しかし 小説の中ではいたって普通の人たちが活躍します。 いってみれば今回の話は「王道」といえるありふれた構成を しているように感じます。「王道」って話は作りやすいのだけれども 下手すると「陳腐」になってしまいます。王道を選ぶなんて 綾辻らしくないと感じる面もあったのですが、綾辻らしい 雰囲気で見事に 「陳腐」でなく「王道」の小説が完成しています。なに言ってるのか 自分でもよくわからなくなってきた…
とにかく、これは結構お気に入りの作品です。ラストも 僕的にかなり良い感じでした。エンドレスってかんじで。



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