月光ゲーム (2001.9.3)
孤島パズル (2001.8.24)
双頭の悪魔
幽霊刑事
幻想運河

月光ゲーム

MOONLIGHT GAME
学生アリスシリーズ第1弾にして有栖川有栖のデビュー作。 僕がミステリーの世界にハマるダメ押しになったのは 綾辻行人の「十角館」ですが、ハマるキッカケになったのは この「月光ゲーム」です。それまではミステリー小説なんて ほとんど読んでなかったですね。暇潰しに本屋をブラブラして いた時に目に止まり、「有栖川有栖なんて変な名前だなあ」 と、手に取ったのが運命の分かれ道。ぱらぱらと中を見て 「なんだ?作者とおなじ名前の奴が登場人物にいるのか。 げ、なんだこの『読者への挑戦状』ってやつは。 おもしろそうだな」と、購入を決めたのでした。(当時は それがエラリー・クイーンの手法ということも知りませんでした) 買ってよかった…。
ちょっと最初は登場人物が多くて憶えきれないなあ、と感じましたが、 それも最初だけ。ほとんどの人物の個性がよく描かれていて すぐに見分けがつきます。
失恋の神様のような暖かい目というのを見たいような見たくない ような…


孤島パズル

パズルとアリスとボートの話
学生アリスシリーズ第2弾。ラストの江神さんの鮮やかな 推理には脱帽ものです。もし、「学生アリスと 作家アリスのどっちが好きか?」と聞かれたら (どっちも好きなんですが)迷わず学生アリスを 僕は取ります。事件について江神やアリスが ディスカッションする場面が好きだからです。
探偵役が「気になることがあるが、今は話せない」などと おきまりのジラシをすることなく、推理研の連中で どんどん不明な点について話し合っていく。僕が 思っていることをアリスが言ったり、江神が反論したりと いっしょに推理している気になれます。物語に半端でなくハマルのが 心地よいです。江神さんの推理も一つ一つ丁寧に 論理を積み重ねていくタイプで理解しやすいのもいいです。


双頭の悪魔

崖とアリスと悪魔の話
学生アリスシリーズ第3弾.一番好きな小説はどれか?と 聞かれたらこれを答えるでしょう.殺人事件が3つ起こる けれどもそのなかでも2つ目の事件の解決が好き. 信長,望月コンビをみくびってましたよ,私は. 前作の扱いからこいつらはドラえもん映画の出来杉君の ように冒頭でチョロっと顔を出すだけの役どころだと 思ってました.まさか探偵役をやるとは.
彼らのディスカッションの場面で私は見当違いな人物を 犯人と考えていたため,「脇役がいくら考えても解る わけがないだろう」「アンタじゃ無理だ,オレが代わる」 とか思ってました.結果は脇役(信長,望月)の勝利. たいへん失礼しました.


幽霊刑事

殺人事件の被害者が犯人探しをする話
主人公の設定からしてオカルトが入っていますが 中身は真面目なミステリーでした.きちんと推理して ます.個人的に「警部補!」の辺りがいい感じです. 有栖川作品に珍しく会話は標準語オンリー.


幻想運河

薔薇と運河とバラバラな話
よくわからないお話だった。大阪のバラバラは良いとして アムステルダムのバラバラはなんでバラバラにする 必要があったのかがわからなかった。動機も憶測の 域をでてなくて不明のままだし。美鈴の心も まったく理解不能でした。






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