◆投資するものとしての時間 2000.5.28
時は金なり。
多くの人が知っている、なんの変哲もないテーゼ。それだけ時間は大切だ、というコンテキストで大多数の人には読まれているけれど、本当にお金と同じように扱っている人は、どれくらいいるのだろう。
投資というと、普通お金を投資するイメージが強い。
でも、時間の投資というのもあるのだ。それが、お金と同じように時間を扱うということである。そして、この時間の投資というものが、こと人間関係の形成にいたってはきわめて大切なのだ。
たとえば。
部下が言うことを聴かないと嘆く上司。あいつはダメだ、あいつはダメだと愚痴をこぼす。
それは構わないけれど、関係改善のためにどれだけ時間を投資しているかというと、実は皆無というのが実情だったりする。それでは、改善されるはずがない。
夫婦関係を愚痴る夫。
別に酒の席でそれを言うのは構わない。人間、愚痴をこぼす機会は必要だ。しかし、ただ不平を言うだけで、妻との関係改善を目指して具体的に方策も取らず、時間的に投資もしないのでは、妻との仲がよくなるはずもない。
ある人との人間関係をよくするためには、時間を投資すること。その人との関係を向上させるために、優先度をシフトアップして、その人のために時間を割くこと。
それが必要である。
それはいや、時間を割くのはいや、ただ愚痴るだけ、というのなら、あなたは関係が改善されぬまま未来永劫続いていくほうを選択しているということになる。あなたは何もしようとせず、ただ相手が変わってくれることだけを夢見ているのだ。
愚痴はただでも出来る。
しかし、関係改善――人間関係への時間投資――は、ただではすまない。
愚痴る前に、関係改善のために自分がどれだけ時間を割いているか、戦略を立てているか、ほんの10秒だけ、考えてみてほしい。
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