◆アイスランド◆

 北極に近い豊かな国

 ヨ−ロッパとグリ−ンランドにはさまれた世界最北の島国。日本の 1/3 の国土に27万人が住んでいる。

溶岩台地と火山湖や間欠泉、温泉の湧き出る火山国。暖房から野菜・果物温室栽培すべて温水でまかなっている。メキシコ湾流の影響で 冬でも比較的暖かいという。

 8月1日、ケラビック空港の気温計は15度であった。NATOの基地(?)があり、直線道路を100 q 車で走って首都レイキャビックに着く。白い建物、暖色屋根の街並みはこじんまりとしており、マ−ケットの品物は安く豊かだ。輸出の8割近くを水産物が占めているとか、私たちの食卓にのぼるエビ、シシャモは殆どアイスランド産ときいた。

世界初の女性大統領

 アイスランド 大学での講演、トップバッタ−は1980年から4期 16年間、この国の大統領を務めたフィンボガドッテル前大統領。女性の政治参加が希少であった1975年当時、多くの女性たちが呼びかけ合って1日ストを行ったという。

アリストパネスの「女の平和」と揶揄されたが大きなインパクトとなり、女性大統領誕生の動きにつながったという。1980年女性たちの推薦をうけ、3人の男性候補と闘って劇場支配人から大統領となったフィンボガドッテルさんは「劇場では人間問題を多く扱う、文学・歴史・芸術を学んできた。特に多くの言葉をもっていたのが幸いした。世界のどこにも大統領コ−スはないのだから…」。
 アイスランド人としての、アイデンティティを失わないため「私たちはどこからきて、どこえゆくのか、歴史・言語・文化政策に力点をおいた」と語った。
ベルトラン(回転レストラン)での晩餐会「見えないものを見る人は不可能なことを可能にする」とフランスの格言を引用しながら人生観を語り、「テ−マがなければビジョンは生まれないのです」とも。

彼女の哲学にふれた貴重な時間だった。

(写真1.フィンボガドッテル元大統領とともに)

民主政治誕生の地と国会議事堂

 レイキャビックから、北東へ50q、 西暦930年 、広大なシンクヴェトリル国立公園、地球の割れ目の一角に世界最古の民主議会跡があった。

溶岩斜面に板敷き階段状の舞台があり、アイスランドの国旗が空高く掲げられていた。草むらの中に、LOGBERG(法の岩)と刻まれた岩石が苔むしていた。中世以来ノルウェ−やデンマ−クの支配のもと忘れられた植民地として1000年以上の歳月が流れ、やっと1944年6月17日、世界最古の議会が開かれた彼のシンクヴェクトリルで独立宣言したという。

 国民的英雄ヨウンシグルソンの銅像が立つ公園の一角に火山岩で造られた国会議事堂がある。
一院制で 63席の会議場は3列、向かい合ってU字型に配列されていた。女性議員は 20名(35%)であり、案内して下さった法務大臣、歓迎パ−ティ−の主催者レイキャビック市長、すべて元気な女性政治家であった。

 女性党があるのもこの国の特徴だし、かって、二院制時代の両院議長も女性童話作家ヘルカドロッカさんだった。

(写真2. 930年、世界初の民主議会が開かれたシンクヴェトリル公園)
(写真3.住田立つ。)


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