フィンランド共和国

シベリウスとム−ミンの国

 湖の国、スオミ。カレワラの里とも呼ばれ、強い祖国愛を交響詩として作曲した、シベリウスの「フィンランディア」。
あこがれの地には、ストックホルムを8月5日夕刻、シリアラインで出航し、バルト海を渡って翌朝9時、ヘルシンキ港到着。淡いグリ−ンの丸いド−ム、白亜の大聖堂を背景に白い石造りの市庁舎前朝市広場のある港に着く。

 国土面積は約34万k(日本の90%)に人口はわずか515万人。首都ヘルシンキの人口は 54万人。

(写真1.ヘルシンキ市庁舎前にて)

 ト−ベヤンソンのム−ミンを通して、われわれ日本人にはひときわ親しみを感じる国ではないだろうか。
シベリウス博物館には幼少時代のチェロ、ピアノが展示されていた。ヒルトウネン作のパイプオルガンの形をしたシベリウス記念碑のある公園の風は心地よかった。

(写真2.シベリウス公園にて)
(写真3.シベリウス博物館)

フィンランド国会

 サ−リネン設計の美しい中央駅、徒歩3〜4分のマンネルヘイミン通りに面して、石造りの豪華な建築、シ−レン設計の国会議事堂。この国は図書館をはじめ内容を象徴するかのような立派な建築物が心を打つ。

 国会は大統領を元首とする共和国で任期は6年、2期12年まで。大統領は行政上の責任者で閣僚の任命、議会の招集・解散、法案の批准、外交の指揮権をもつ。
首相は大統領の補佐、内閣を組織し行政全般の責任を負う。議会は一院制で200議席(女性 73議席、36.5%)
 傍聴席への通路にはX線のきびしい検査があるが、バッグその他は手にもったまま入ることができる。70年前に建立された比較的新しい建物で、円形天井から差し込む柔らかい光が印象的だった。
傍聴席は300席、議場正面の壁には5体の立像(労働、思考、子どもを抱く女性、教師、農民の彫像)があった。1907年、世界初の女性国会議員が誕生とのことだ。

(写真4.フィンランド国会議事堂内)

女性団体との交流(8月7日)

 ユニオンの書記長、マリア・ビリアンネルさんから女性の政治進出の側面から男女平等の運動について。男女平等オンブズマンのフィルッタ・マキネンさんは、税制度、保育所など男女平等法整備、なかでも男女の賃金格差をどのように解消してきたか等、オンブズマンとしての側面から話された。

 最も古い婦人団体のマ−ビア・ビルヤさんからは、若い女性の政治参加推進、リ−ダ−養成の具体策が語られ、ユニヘム代表からは、途上国の女性に対する教育や資金援助策が語られた。
 自国だけでなく、世界平和のために忍耐強く連帯するフィンランド女性たちの精神的崇高さに感動した。

図書館の国

  大聖堂のある元老院広場の一角にヘルシンキ大学がある。岡沢先生のおすすめで大学図書館に入る。1866年に建立された建物の内部には知の殿堂にふさわしく彫刻がほどこされ、古い書物の背が幾重にも並んでいる。本館部分は円筒形、真ん中が吹き抜けになっていて5階の各階には書架がびっしりと並んでいた。

 フィンランドは公共図書館の国でもあり、図書館法は1927年に公布されていて、文化生活の最先端に図書館を位置づけている。
 図書館こそ社会の中で最も高いレベルの民主主義を現しているという。

次回は図書館を中心にこの国を訪ねたい。

(写真5.フィンランド大学図書館)
(写真6.フィンランド大学図書館内)
(写真7.フィンランド大学図書館内)


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