4期目の活動報告

2002年（平成14年度）予算　予算特別委員会2002年３月13日～20日

　　平成14年度当初予算は２月下旬、すでに議員手元に届いていましたが、鈴木前市長の収賄容疑・逮捕により、土方市長職務理者が急遽組み替えた「骨格予算」を審議しました。

平成14年度一般会計予算について

　― 可決討論

わが国財政は14年度末、中央政府の借金が528兆円（国債414兆円）地方政府借金195兆円と巨額になり世界一の赤字依存財政（GDP比140％）です。
　東京都は３年連続実質収支赤字となり、14年度は前年に比べ、４．８％減の５兆9078億円となっています。
危機状況を全面に掲げた知事の予算編成は福祉、教育、文化行政の著しい後退が懸念されます。
　多摩市の歳入歳出総額は前年度に比べ９．７％減の431億２千万円です。

＜歳入について＞

　市税は年々下降しており、特に年間所得700万円以上の納税者数の減少、主要企業による税収の低迷など法人税収減も大きく影響しています。

１．自立のための税・財源移譲を
　多摩26市の市長会は今年1月24日、現状の個人税負担据え置きを前提に現行の税制が「国税６対地方税４」から「国税５対地方税５」とする見直し案を作成し、機関委任事務移譲と同時進行する旨発表がなされました。
　国や都の危機的財政、基礎自治体におけるこれまでの依存体質からの脱却、そのためには、行政改革による歳出の自治同様歳入の自治こそ自立のための重要な課題です。

２．財源確保と財政の民主化を
①財政調整基金は長期的視点に立った　活用のための20億円維持目標を
②財政民主化の第一歩は市民のチェックとコントロ－ルが可能な情報公開、アカウンタビリティの確保を（分かり易い広報、予算書、決算書、バランスシ－ト等）

＜歳出について＞

１．自治基本条例の制定を
　自治体が自らの意志に基づきまちづくりをすすめるための基本理念、方向性を示す基本条例が必要です。70数名の市民・職員が１年余かけて策定した条例案を誠実に検討し独自の条例化を。

２．障がい者自立センタ－事業
身体・知的・精神障害者の地域支援を総合的に行う事業ですが、法律整備のスピ－ドが速く、現場対応が追いついていない現状です。人として尊厳をもって地域生活ができる体制整備、人々の意識改革が必要です。

３．認証保育所
　待機児の解消、都市の保育所ニ－ズに応える都独自の制度ですが育児環境の整備により育児不安の解消、女性の積極的社会参画を。

４．成年後見モデル事業について
　社会福祉事業法等福祉関連法が改正され、措置制度から「利用者主体の契約」「福祉サ－ビス」制度へと移行しています。自己決定、自己選択を前提とする契約制度への移行にあたり最も重要な点は人権保障体制の確立です。　法制度整備のみが先行し、行政や市民の意識改革がおくれています。判断能力が充分とはいえない痴呆高齢者、知的・精神障がい者の人権擁護に立ったきめ細かい調査と制度への橋渡しが重要です。

５．公園管理委託について
　５ブロック別から８ブロック別の指名競争入札へと指名機会の拡大ははかられましたが落札価格の高値安定は税金のムダ使いです。透明性向上の工夫と、一般競争入札制度へのシフトを．

６．学校図書館司書について
1997年度から司書配置が進められており今回10名増員され一挙に22校に配置。学校図書館は言葉を学び知的探究心を育てる機関です。子どもたちが学びを通して人間の平等・尊厳性に自ら目覚め　　２１世紀地球市民として平和な社会実現を願っています。司書の重要性は申すまでもなく専任司書の全校配置、研修制度充実、雇用体制の充実のため勤務・報酬等の規則を早急に制定すべきです。

７．図書館相互利用（多摩・日野・稲城）
　市民の学習権・知る権利の保障即ち、図書館行政を推進するのは自治体の役割です。相互利用による図書の数・量確保のみならず、すべての市民がよりよく生きるための生涯学習の基盤整備として、選書・レファレンス等質の向上に配慮が必要です。　

前市長収賄容疑についての集中質問 3月1日、26日の質問要旨

３月１日　収賄容疑について

　ごみ収集運搬業者「東都興業」社長から市長就任後の1999年10 月６００万円の賄賂を受け取ったとされる収賄罪容疑に関して

質疑１．
2000年10月随意契約から指名競争による入札・契約に変更しているが指名業者３社が可燃ごみ（２社が落札）不燃ごみ（東都興業落札）しかも落札率も98％～99％高値安定で制度を変更したメリットがない。結果をみるかぎりでは便宜供与とみられても仕方がないのではないか。

質疑２．
市長選挙の借金返済のため、賄賂を受取ったとされているが、前市長が選挙管理委員会に提出した報告書では100万円以上の黒字である。虚偽の報告書を選管に報告したことになり、公務に携わる者の基本的モラルに疑問がある。

　その後の経過、

３月４日、元市職員堀江容疑者が共犯容疑で逮捕・起訴（３／２２）
３月15日前市長刑法第197 条第１項前段に基づく「単純収賄罪」で起訴

３月26日　事前収賄容疑について

　前市長が収賄容疑で起訴された同日、新たな事件として、市長就任前の1998年３月頃から1999年１月頃までの間、水道設備業末吉設備工業・露久保社長から請託をうけ数百万円を収受したのではないかという「事前収賄罪」容疑による再逮捕の件について市税は年々下降しており、特に年間所得700万円以上の納税者数の減少、主要企業による税収の低迷など法人税収減も大きく影響しています。

質疑１．
東都興業をめぐる問題同様、指名競争入札制度の業者選定プロセスに便宜供与の入り込むスキが全くないといいきれない。選定過程、落札価格、落札率等について一層の情報公開につとめるべきだ。庁舎１階の掲示板や行政資料室での公開だけでは、透明性を確保しているとは言えない。「たま広報」などを通して広く市民に公開すべき。便宜供与が入り込みやすい指名競争入札制度から一般競争入札制度へとシフトすべきだ。

質疑２．
被疑事実調書によると、末吉工業社長は「純粋な地元と後からきた地元業者とのバランスをみて、市長になったら指名を平等にお願いします」と請託している。　地元業者育成のあり方や災害時における地元業者への応援依頼ののあり方は、談合の温床になりやすい。このような制度を見直すべきだ。