内視鏡学教室の先生から、急患でみえた患者さんの食道に引っ掛かっていたマトリックスリテーナー(歯のまわりに詰め物をするときの道具)をいただいたことがある。この教室にみえる急患の方で多いのはアニサキシスによる腹痛だそうで、アニサキシスが胃酸を避けようと胃壁に食い込んで激痛が起こるとのことだった。内視鏡下に鉗子で虫体を摘出すると痛みは消えるのだそうだ。歯科に起因するものはそれに比べるとやや少なめとのことだった。 いつもお世話になっている寄生虫学教室に行った時、アニサキシスについて聞いてみると、医学部の学生実習で使ったカツオの開きの中にある乳白色の薄い包みを切り開いて、丸く輪のように入っていた虫が元気に飛び出して動く様子を見せてくれた。このカツオをたたきにしてごちそうになったが先生の調理が上手なせいか、特にあたることもなくおいしくいただくことができた。 この時ショウガや良くかむことでは駆虫の効果がないことも教えていただいた。