木下貴雄

是正勧告と就業規則

  • 就業規則が未整備ということで労働基準監督署の是正勧告を受けました。どうすればいいでしょうか?
  • 早急に就業規則を整備して、労働基準監督署に届け出て下さい。場合によっては是正勧告の期日を延ばしてもらえることもあります。

是正勧告ワースト5

平成15年度の「監督業務実施状況」(厚生労働省労働基準局)によると、労働基準監督署による定期監督での労働基準法違反のワースト5は次のようになっています。就業規則に関する違反が第3位です。

  1. 労働基準法第32条【労働時間】違反・・・約2.8万件
  2. 労働基準法第37条【割増賃金】違反・・・約1.9万件
  3. 労働基準法第89条【就業規則】違反・・・約1.7万件
  4. 労働基準法第15条【労働条件の明示】違反・・・約0.9万件
  5. 労働基準法第108条【賃金台帳】違反・・・約0.7万件

データが古いですが、過去数年上位の5項目は同じです。

労働基準監督署の調査

労働基準監督署の調査には「定期監督」と「申告監督」と呼ばれるものがあります。

これらの調査があると10人以上の会社なら必ずと言っていいほど、就業規則の有無がチェックされます。

そして、労働基準法等の違反が認められたときは、是正勧告が出されます。

是正勧告を受けないために、是正勧告を受ける前に就業規則を整備しておきましょう。当たり前のことですが、これが一番の対策です。

是正勧告を受けてしまったら

早急に就業規則を整備して届け出る

就業規則がないということで是正勧告を受けた場合、残念ながら魔法の杖はありません。是正期日までに就業規則を作成して労働基準監督署に届け出ることです。

だからと言って、モデル就業規則をそのまま使うことはお勧めできません。その場しのぎで作ったとしても、会社はその就業規則に拘束されてしまうからです。(参考→モデル就業規則

1つできるアドバイスとしては、場合によっては是正期日を延ばしてもらえることがあるということです。是正期日に間に合わないときに、その理由といつまでなら是正できるのか説明すれば、是正期日を延ばしてもらえることがあります。

もちろん、社会保険労務士に依頼して就業規則を作成している最中であるとか、就業規則を作成するために何らかの行動をとっていないと認めてもらいにくいと思います。一度、労働基準監督署にご相談ください。

嫌がらせは労働基準法違反に

先程、従業員の申告による申告監督があると説明しましたが、労働基準法により、労働基準法違反があるときは、従業員は労働基準監督署にその事実を申告することができます。

また、従業員が労働基準監督署に申告したことを理由にして、会社は解雇等の嫌がらせをしてはいけないことも労働基準法で定められています。つまり、従業員は労働基準法で保護されているということです。

申告監督によって是正勧告を受けると、「仕事はいい加減なくせに、そんなことだけはキッチリするんだな」と苛立つ気持ちも分かりますが、それは別問題ですので、是正勧告の対応が先です。

社会保険労務士の活用を

最初に説明したとおり、一度調査に入られると、いろんなボロが出てくるものです。残業手当の未払い、残業手当の計算方法の間違い、36協定の未届け、健康診断の未実施、労働条件を明示していない等々。

最近は法令遵守やコンプライアンスが注目され、「我が社も法律違反がないようにしよう」という気持ちはあっても何から始めていいのか分からない→日常業務が忙しい→後回し→そして、是正勧告...というパターンが多いようです。

社会保険労務士に任せれば良いのにと思うのですが、いかがでしょう。専門家ならではのアドバイスが聞けると思います。

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